犬はサマーカットにしても良い?サマーカットのデメリット・注意点
サマーカットとは?
サマーカットとは、夏の暑さに耐えらえるように極力短く被毛を刈り上げるカットスタイルのことです。
人間で例えるなら、バリカンで刈り上げるようなイメージでしょうか。
ここでは、サマーカットのメリットデメリットについて触れたいと思います。
サマーカットのメリット
サマーカットは、圧倒的にメリットの方が多いと言われています。
お手入れが楽になる
毛が長いと、普段のお手入れに時間や手間がかかってしまいます。
しかし、毛を短くすることでブラッシングやシャンプーも格段に楽になります。
サマーカットをするときは、5ミリ刃のバリカンから始めると良いでしょう。
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肌の状態を確認しやすい
毛が長い状態では肌の異常に気付きにくいため、「肌トラブルが知らぬ間に悪化していた」というケースもあります。
毛を短くすることによって、肌の疾患も確認しやすく健康を保つことができます。
皮膚炎を防ぐ
毛が長い犬種は熱がこもってしまうため、皮膚が蒸れやすくなります。
サマーカットを行うことで風通しが良くなり、皮膚炎を防ぐ効果も期待できます。
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サマーカットのデメリット
サマーカットのデメリットとしては、どんなことが考えられるのでしょうか。
皮膚を保護しにくくなる
犬は被毛によって皮膚を保護しています。
そのため、被毛を短くすることでノミやダニなどの虫刺されや、ちょっとしたケガをしやすくなります。
特に虫刺されは、かゆみだけでなく感染症にかかる恐れもあるため注意が必要です。
被毛が少なくなると日光が肌に直接当たり、熱中症などのリスクが高まることもあります。
体を冷やして体調不良を起こす
犬は被毛によって体温調整を行っています。
夏は冷房を使う機会も増えるため、トイプードルやチワワなど室内で飼っている犬は注意が必要です。
被毛を極端に短くしてしまうと、体を冷やして体調を崩す恐れがあります。
毛が生えにくくなる
サマーカット後のトラブルとして多いのが『脱毛症』です。
毛周期が止まって毛が生えにくくなってしまったり、毛質が変化してゴワゴワになってしまったという声も聞かれます。
サマーカットに向かない犬種
夏場になり、毛が長くなってきたからといって全ての犬種がサマーカットに向いているわけではありません。
サマーカットに向かない犬種と、向いている犬種をご紹介します。
向かない犬種
毛があまり伸びず、普段のトリミングも必要としない犬種はサマーカットには向いていないでしょう。
主な犬種は以下の通りです。
- チワワ
- ダックスフント
- 柴犬
- ポメラニアン
- パピヨン
- コーギー
- ゴールデンレトリバー など
向いている犬種
シングルコートは大きな換毛期がないため、放っておくと毛が伸び続けるという特徴があります。
また、ダブルコートの犬種も抜け毛対策としてサマーカットをする飼い主さんは多くいます。
- トイプードル
- シュナウザー
- ヨークシャーテリア
- シーズー
- マルチーズ など
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シングルコートとダブルコート
サマーカットを行う際、毛の生え方によって気を付ける点をご紹介します。
シングルコート犬種
シングルコートとは毛があまり密集しておらず、保湿や保温機能のあるアンダーコートと呼ばれる毛があまり生えていない犬種を指します。
そのため、サマーカットを行う場合は短くなり過ぎないように注意しましょう。
ダブルコート犬種
ダブルコートとは、皮膚を保護するオーバーコートが生えていて、かつシングルコートで説明したアンダーコートも生えている犬種を指します。
ダブルコート犬種は2種類の毛が生えているため、毛の密度が濃くサマーカットを行っても皮膚を保護する毛が残るのでサマーカットに向いているとも言えます。
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サマーカットにはいつからして良いの?
犬のサマーカットは、どのような季節にすると良いのでしょうか?
換毛期
サマーカットが最適な時期は、換毛期(4月~6月)と言われています。
この時期は、抜け毛が少ない犬種も毛が抜け始めます。
例えば、プードルは春先と秋口が換毛期で約一ヶ月かけて毛が生え変わります。
抜け毛対策として、この時期にサマーカットを行うと良いでしょう。
換毛期は年2回ある
犬の換毛期は春から初夏と、秋から冬にかけての年2回あります。
サマーカットというくらいですから、気温が高くなる春先の換毛期にカットを行いましょう。
秋口の換毛期にカットすると、当然ながら体が冷えやすくなり体調を崩してしまう原因になります。
冬までに生え揃うようにする
サマーカットを行う際は、短く切りすぎないように気をつけましょう。
あまりに短く切りすぎてしまうと、次に生えてくるまでに時間がかかり、十分に生え揃う前に冬を迎えて寒い思いをさせてしまいます。
トイプードルを例に挙げると、一般的に3ミリ~5ミリほど毛を残すことが多いので、それ以下の短さにならなければ冬までにしっかりと被毛が伸びるでしょう。
サマーカットのやり方
サマーカットの目的は、気温が高くなる季節に愛犬の体を涼しくしてあげることです。
確かに被毛が伸びてくると見た目からして暑苦しく見えて、サマーカットをしてあげたくなる気持ちは分かります。
しかし前述したように、犬種によっては太陽の日差しを直接受けてしまい、サマーカットをしない方が良かったという例もあります。
サマーカットを自分で行う場合
上記のデメリットを踏まえた上で、どうしてもご自身でサマーカットを行いたい場合の方法をご紹介します。
サマーカットに必要な物
被毛が多い犬の毛を処理する場合は、専用のカットバリカンがあれば楽なのですが、慣れていないと切りすぎてしまうので専用のハサミを用意しましょう。
サマーカットを行う上での注意点
ご自身で愛犬のサマーカットを行うときに注意すべき点は、短く切り過ぎないという点です。
切り過ぎた毛はすぐには生えてきませんので、切り過ぎないことは愛犬のためにも強く意識しましょう。
思い切りよくカットするのではなく、毛をすく要領で行います。
短く切りすぎてしまうと、デメリットで紹介したように、太陽の光が直接当たったり虫に刺されやすくなります。
料金
ご自身で全て行う場合は、ハサミ代くらいしか費用はかかりません。
トリミングサロンなどに依頼する場合には、5,000円以上が相場となります。
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トリミングの頼み方
愛犬をサマーカットしたいけれど、自分でするのが心配であればトリミングサロンに依頼しましょう。
トリミングサロンでの注文の仕方
トリマーに伝わりやすいオーダーのポイントは、「〇〇ミリ残して下さい」と具体的に伝えることです。
実際にあった失敗談として、「5ミリで短めで」とオーダーした結果、5ミリのカットバリカンを使ってかなり短くカットされてしまった事例があります。
5ミリ残したい場合は、2~3ミリのカットバリカンを使わないと短くなり過ぎてしまいます。
部分トリミングが効果的
サマーカットをしてもらう場合、部分的に行うと良いでしょう。
犬種によっては、全身の毛を刈ってしまうことで寒くなり過ぎてしまうためです。
どの犬種でもカットした方がいい部位はお尻まわりで、排泄物が付着するのを防ぐことができます。
アドバイスをしてくれるサロンを探す
この記事でもサマーカットは必ずしも必要なものではなく、デメリットがあることはお伝えしました。
ほとんどのトリミングサロンでは、サマーカットの申し込みをした際にリスクを伝えてくれますが、中には伝えてくれないところもあるそうです。
ご自身でリスクを把握しておきながら、しっかりと愛犬に合ったアドバイスをしてもらえるトリミングサロンを探すようにしましょう。
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(写真のワンちゃん・・・bichon_pannaさんのパンナちゃんとシューちゃん)